昔のLPレコードをCD化した物って録音が悪くて音質に歴然とした差があるし、録音レベルが違い過ぎて診療室で鳴らしているHDDミュージックサーバーに取り込んでも、音が小さすぎて前後のCDとボリュームを調整しないと聴き辛い事がしばしばある。あまりの音量の差に大西順子さんのCDを1枚削除してしまおうかと迷ってるけど、削除は惜しい気がする。やはり脂の乗り切った頃の大西順子、特にレジナルド・ヴェールとハーリン・ライリーのNYトリオは、今聴いてもとても素晴らしいと思う。 何処かのブログで、「大西順子の引退は 自分は研究タイプで演奏には向いてないと思ったから~とあったけど 上原ひろみの登場で圧倒的な敗北を認めたからだ」と書いてる人がいた。これ読んで この人はピアノを聴く才能もセンスもないナと思ってしまった、ただの田舎もんやわ。

確かに上原ひろみは天才だし努力家だし、今ではセンスも魅力も随分と磨かれた。しかし、大西順子のピアノには大西順子にしか出せない力強さやリズム感、ノリ 繊細さも大いにあるし個性的な魅力も勿論ある。 でも「Musical Moment」 の時には大西順子復活を心から喜んだのに、ラストアルバム「baroque」はオーケストラ並みの大掛かりなチーム編成で、一体何がやりたいのだろう?と感じたし シンプルなトリオの時の様なピアノの魅力が全く無かったので 大西順子さんってもう本当に行き詰ってるのだろうか? この先は何処に向かって行くのだろう?と理解不可能な不安を感じたのを覚えてる。 だから、発表を聞いて何で引退するの?とは思わず「ああ、やっはり」と思ったし残念だなぁとも感じた。厚木のライブハウスが最後の最後の演奏だったけど、「この日を持って引退します」と言うや否か、観衆の一人が立ち上がって「オレは反対だー」と叫んだ人物がいる、小説家の村上春樹と連れだって演奏を聴きに来てた世界的マエストロの小澤征爾さんでした。ピアニスト大西順子は 小澤征爾さんからの依頼でサイトウキネンフェステバルのラストに登場し「ラブソティー・イン・ブルー」を演奏したりしてるから 彼も大西順子の弾くピアノに才能や魅力を感じてたのだと思う。

大西順子さんのCDは、自身のアルバム以外にピアニストとして参加したアルバムまで、存在する全てのアルバムを持っている、、と、こんな雨の日はJazzが聴きたくなるのよね~!

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