歯の表面に形成されたプラークの約75%は細菌です。プラーク1g当りの細菌数はおよそ1~2×1,000,000,000,000と言われ300~400種の細菌が棲息しています。飲食後に歯に付着した糖質を細菌が分解しその際 産生される酸によりpHが下がり歯の表面は脱灰(溶けて)していきます。それを防御 阻害する為に正しいブラッシングが必要となります。プラークは成熟するとバイオフィルムと呼ばれる膜を持ち細菌の抵抗力は10~1000倍 落としにくくなります。ハブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシなどを用い徹底したホームクリーニングがプラーク内細菌から歯を守るのです。写真はプラークが貯まり歯肉が赤く炎症を起こしている状態です。ここまでならまだホームケア、プロフェッショナルケアにより健康なピンクの状態に戻ります。 歯周病もブラッシングなどのオーラルケア不足が原因です。歯に付着したプラークはやがて唾液中の成分ムチンにより石灰化し歯石へと変化します。歯石は歯と歯ぐきの境目より根先方向(歯の根っこ方向)へ増殖しながら歯ぐきを圧迫し、炎症(出血や腫れ、排膿)を伴いながら歯槽骨の吸収を引き起こしていきます。こうなれば歯はぐらつきや噛みしめ時の痛みを感じる様になります。 余談ながら、よく「出産すると歯からカルシウムをとられ歯が悪くなる」と聞きますが一旦形成された歯からカルシウムが抜けるというのは考えにくいし科学的根拠はありません。この関連は主に妊娠中のホルモンバランスの変化や歯の手入れが体調などによって億劫になりやすい、またこれらの理由により口腔内が酸性になりやすい事など、出産後も暫く体調の整うまでは歯科医院を訪れ検診やケアが出来ない事などが原因じゃないかと考えられてます。