キシリトールを長期間摂取するとプラーク中のミュータンス菌数が減少してくる.....?
これは少し難しい話になりますが、実はこういう作用機序があるのです。
キシリトールは菌体内に取り込まれるときキシリトール5-リン酸に変換されます。これが細菌に対して静菌的効果があり、さらにその後、キシリトール5-リン酸は菌体内で加水分解されキシリトールは菌体外へ放出されてしまうが、この過程で細菌は全くエネルギーを獲得できずエネルギーを浪費してしまいます。その結果、菌の活性が失われ、次第にプラーク中のミュータンス菌数が減少していく事になる、という事です。
また他の効果として唾液分泌が促進され、唾液によるエナメル質成熟作用や歯の石灰化作用が促進されます。再石灰化は糖アルコール分子中の水酸基が唾液やプラーク中のカルシウムと複合体を形成し、可溶性カルシウム量を増加させるので、無機成分を失ったエナメル質(cariesで穴の開きかけた表面)の再石灰化(再形成)が促されるためなのです。
今現在、日本でも多くのキシリトール製品がありますが、フィンランドほど基準は厳しくないものの厚生労働省許可・特定保健用食品と表示されたキシリトール製品なら歯にとって安全といえると思います。