クルセイダーズのピアニスト、ジョー・サンプルさんが肺癌による合併症で9月12日に亡くなったという記事を昨日の新聞で見た。クルセイダーズを解散後のソロアルバム「虹の楽園」や「カーメル」を、当時大学生だった自分は親の仕送りの中から食費を削ってまで買って それこそレコード盤が擦り減るまで何度も何度も繰り返し聴いたのを思い出す。

その後1993~94年頃かな、BlueNote大阪(現ビルボード大阪)と東京でソロ公演があるのを知り、どうしても生のピアノ演奏に触れたくて東京よりは近い大阪の公演日が休日前の水曜日だったので午後から診療を休みにして出掛けた事がある。 開場になってすぐに中に入り、席に着いた後バーカウンターに飲み物を注文しに行ったら ジョー・サンプルさんが一人カウンターに立ってバーボンウイスキーか何かお酒を飲んでいた。気さくな方で向うから話しかけてきてくれたけど、早口の英語なので言ってる事が良く判らない。でもゆっくりと繰り返しjazzの事やピアノの事、クルセイダーズの話などをしてくれて、「サインをしてあげる、一緒に写真撮ってあげる」と言ってくれた。しかし、色紙もアルバムも持ってなくて変なものでは失礼になると思い「申し訳ないけど、サインして貰う物を何も持ち合わせてない」と告げると 彼は目の前に居たスタッフに伝票とボールペンを貰い その裏側にサインをしてくれた。今なら会場でアルバムを売っているのですぐ買って用意すると思うが、あの当時はアルバム販売はしてなかった。 公演が始まる前の10分か15分ぐらいの間そうやって話して 彼はやがてステージに上がって行った。  ・・・そんな優しい人柄はピアノの音にも表われる、ご冥福をお祈りします。

ひろ歯科医院