ISQ測定器
インプラントの安定度を示す ISQ値 を測定する機器がある。インプラントは骨内に専用ドリルで形成したホールにフィクスチャー(インプラント体)を埋入していくが、やや小さめに形成したホールに若干太めのフィクスチャーを挿入し 周囲骨を圧縮しながら食い込んで初期固定を得る。このフィクスチャーに接した骨はやがてリモデリングというインプラント表面に与えられている電顕的なサイズの凸凹、表面性状の中に侵入した血液中の骨芽細胞が新たな骨を形成し、オステオインテグレーションと呼ばれる骨との一体化が起きる。このオステオインテグレーションがどの位進んでいるかを示す値が ISQ 値で その値を測定する機器が OSSTELL 社から発売されてすぐに導入した、何年前の事なのか覚えてない。計測方法はフィクスチャーの上部にスパートペグという磁石の付いた頭を取り付けて ISQ アナライザーの先端から発信される磁気パルスを用いて非接触で共振周波数分析を行う。
ISQ 値など無かった時代は、手術時の骨状態や骨の硬さ、埋入時の初期安定性や経過時間を考えて判断するのが普通だったので 実に科学的な根拠に乏しかったと言える。どれほど ISQ 値に信頼性があるのかは判らないけれど、でも今は ISQ 値を測らずに補綴に移行する事はあり得ない。
その ISQ アナライザーは 今も原理は変わってないけれど新しい機器が OSSTELL 社からも また OSSTELL 社以外からも出てきており、どちらも大きさはハンディタイプで非常に軽くコンパクトで使い勝手が良さそう。 NSK製の方は計測時間の短縮や、取り付けるフィクスチャーとスマートペグの精密性や材質がチタンで違いがあるし Straumann からもOEMとしてロゴ入りが出てるので今回はこちらを購入した。今のところどちらも使って ISQ 値に相違がないか試しているが、性能には殆ど差はなく わざわざ買い替えるほどの意味は無かったのかも知れないけれど BLX以外のインプラント用スマートペグは OSSTELL 社の方で揃っているので使い分けていけば良いかなと思う。