インプラント埋入を行う前に、様々な分析を行う。CTを活用する様になって骨状態(骨の幅や高さ、厚みや密度)、上顎洞の状態(位置や大きさ、側室の有無 上顎洞粘膜炎症の有無)や、走行する神経の方向や位置、歯肉の厚みなどは解りやすくなったが その患者さんに使用する最も適したインプラントの種類や太さ、長さ 埋入する位置や方向 埋入深度など、また骨補填剤は何をどの程度使うかまで分析していく。また口腔内模型から咬合状態や上部構造(被せ物)の形態や与える咬合接触状態まである程度仮定して被せ物がスクリュー固定なのかインプラント用セメント固定になるのかまで予測するが、当たり前ながら結構な時間がかかる。先日名古屋であった勝山さんの講演で、手術を行う前の分析に大凡 平均2時間掛かるとして年間240本の手術に費やす時間は480時間にも及ぶと言う話があった。その術前分析にAIを活用出来ないかという研究も進んでおり2〜3年内には実用化するのではないかと言う話題が出てきた。イージーケースの場合分析に2時間も掛かる事はないが、それでも当日実際に手術を始める直前まで様々なシミュレーションを繰り返し続けて頭の中から離れない。難しいケースを控えてる場合などは中々寝付けず やっと眠っても夜中に目が覚めて考え出すとそのまま頭が冴えて眠れないという事も度々ある。いくらAIが進化しても、また歯科版のダヴィンチ(オペ支援ロボット)が出て来たとしてもやはり神経使うし疲れは同じではないかなと思う。自分の場合はチームではない、たった一人で全てをこなす 年間に100から120ケースを行うがそれでも減らして楽をしたいとは思わない 年齢と共に疲れは残りやすいが頑張るかな〜。

ひろ歯科医院