歯の型を取る事を印象採得と言うけれど、現在は削った歯の状態を最初は軟らかくて時間と共に徐々に弾性を保ったまま固まっていく印象材を用いて型を取り その内面に石膏を流して模型を作り、技工士さんに製作を依頼する方法が一般的で これは保険診療であろうが自費診療であろうが形成方法や使う印象材料が違うだけで殆どこの手順に変わりはない。

何年か前、診療室にCTを導入する際 CTと一緒に入れようかと随分迷った機器がある。  削った歯の状態をデジタルスキャナで読み取りコンピュータ上に口腔内を再現して その削った歯に画面上で装着する修復物や補綴物を付与する。そのデータを元にレジンや金属、セラミックなどのブロックをコンピュータ制御のマシンが4~50分で削り出して作ってしまう・・・当時こんなマシンを入れようかと考えていた。 しかし導入に至らなかった理由は、精度が信用出来ないのとジルコニアは除外されていた事、色調が削り出すブロックに依るので患者さんの歯と完全に一致しないであろうという事、あとは削り出す時間が幾ら短くても口腔内をスキャンしてデータを与える時間を要するので、技工士さんが院内に常駐していないと 常に診療に追われてる自分一人では絶対に無理であろうという事などから 価格とマッチした価値を見いだせずに導入を見送った。

先週の日曜日に Straumann cares の講演会に行って、このデジタルソリューションがかなり進化して信頼に値するところまで発展している事に興味を持った。今現在は印象採得して作成した石膏模型を技工士さんに渡した後、技工士さんはラボのデジタルスキャナでデータ化した情報をストローマン社に送り出来上がった製作物が技工士さんのラボに届くが これを模型上で最終調整してウチの診療所に納品してくる。なら、口腔内から直接 デジタルスキャナで読み取りデータをラボに送信すれば 印象材や石膏模型の精度による手間や誤差はもっと省く事が出来る事になる。スキャンしてデータ送信までで製作過程は技工士さんに任せられれば時間も掛からない。 現在も3M社やその他の歯科企業から機器が発売されているけど 来年はStraumann からもフルマウスのスキャンが出来るスペックを持ったデジタルスキャナが出てくるようで 数社とも価格は数年前に比べれば幾分下がったが、それでもとても高い。 しかし、ことインプラントや大掛かりなジルコニア補綴は確実にデジタル化に向かっているので 多分その何れかの機器を導入する事になると思う、現在検討中です。

ひろ歯科医院