自費診療でインレーを製作する場合、e-max という 2ケイ酸リチウムを原料としたガラス系セラミックのインレーがあります。
天然歯と組織構造、物理的性質が類似した生体親和性の高い材料で、適合性が良く耐久性に優れ 硬さや重さも天然歯と似ています。
衝撃に対する強度は天然歯の2倍程度、すり減りに対する硬度は天然歯と同じぐらいなので 噛み合う相手の天然歯だけがすり減るという現象も起きません。歯の切削面とインレー内面をエッチング処理し歯科用接着剤で一体化してくっつけますが 透明性が高いので歯の色と一体化し、接着後は殆ど修復部分が判りにくいです。
セラミックの他にジルコニアでインレーを作る事も出来ます。ジルコニアの場合はスキャンして得たデータをミリングマシンにセットした色調の合ったジルコニアディスクからミリング(削り出し)して製作します。
ジルコニアというのは金属原子ジルコニウムのセラミックで、ジルコニアは正式には2酸化ジルコニウムといいますが、人工ダイヤモンド(指輪やペンダント)の歯科用です。歯科で使うジルコニアの強度は約1,000〜1,200Mpa(メガパスカル)で、CAD/CAMの約6倍、セラミックの約3倍の強度があります。ジルコニアの場合もセラミックと同じく歯の切削面とインレー内面をエッチング処理し歯科用接着剤で一体化してくっつけますが、セラミックとの違いは強度だけでなく表面が非常に滑沢で汚れやプラークが停滞しないという点です。